「サービスが先、利益は後」運送業で成功する方法

「サービスが先、利益は後」運送業で成功する方法Biz-surf.com | ビジネスの波に乗るとっておきのスキル

小倉昌男 経営学
小倉昌男 経営学

マーケティングに関する本を読むと、顧客獲得ノウハウのところで必ず「先にベネフィットを与えること」ということが書かれています。

頭では理解しているつもりでも、実際に赤字覚悟で商品やサービスを提供するのにはかなりの覚悟が必要です。

まして、ある程度の規模に達した企業では、役員の承諾も必要だし、全ての従業員の協力がなくては厳しいハードルを乗り越えることはできません。

ヤマト運輸の元社長である小倉昌男氏は、「サービスが先、利益は後」を合言葉に、苦境に陥った商業貨物輸送の事業から個人宅配市場に転換を図り成功を収めました。

いまや消費者の生活に密着した宅配便事業も、最初は誰も「儲からない」と一蹴され、誰も実現可能とは思わなかったようですから、ここまで成長させるには並々ならぬ努力と緻密な計算が必要だったはずです。

本書では、その発想の原点から社内・社外の協力を得て、さらにサービスを拡充させるまでの経緯をドラマティック描かれ、経営者としての考え方も学べる良書です。



小倉昌男 経営学:目次

第1部 牛丼とマンハッタン―宅急便前史(宅急便前史
私の学習時代
市場の転換―商業貨物から個人宅配へ ほか)
第2部 サービスは市場を創造する―宅急便の経営学(宅急便の開発
サービスの差別化
サービスとコストの問題 ほか)
第3部 私の経営哲学(組織の活性化
経営リーダー10の条件)

クロネコヤマトの宅急便という誰もが知っているブランド、誰もが利用したことがあるサービス。

ある意味で消費者の生活や購買行動を変えたとも言えるこのサービスですが、実際に事業を稼動させるまでに相当の苦労があたことがわかります。

運送業界というのは、行政による規制も多く、日本の産業構造や道路環境、エネルギー環境等々、様々な環境に影響される産業です。

コストについても数円、数銭単位で原価をはじき出し、それを積み上げていかなければならないので事業計画もかなり緻密な計算が必要になります。

本書では、そんな厳しい運送業界について素人でもわかりやすいようにリアルな数字、事例で詳細が解説されているのでとても読みやすく臨場感があります。

新しいサービスを提供するにあたり、発想の原点として海外の動向や単純に「同じ事業をしていて儲かる会社と儲からない会社との差がどこにあるか等、視点を変えてアイデアを形にしていく様子がとても興味深く展開していきます。

事業計画やビジネスプランの立て方の書籍やセミナーでは学べない、新たなサービスを提案して、それが商品化され消費者に浸透していくまでの過程が描かれていてリアルな教材としてとても参考になります。

また、大口の取引先と決別するシーンや社内の抵抗や行政を相手に戦っていくシーンなどかなり見せ場も多く、物語としてもかなり面白いので、「経営者の書いた本は自慢話が多いので苦手」という人にもオススメできます。

小倉昌男氏の学習意欲と分析力、チャレンジ精神は多くの起業家や経営者の参考になると思いますよ。