コミュニケーションがコミュニケーションを呼ぶネット・コミュニティの作り方

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インターネット社会のマーケティング―ネット・コミュニティのデザイン
インターネット社会のマーケティング―ネット・コミュニティのデザイン

「顧客リストを集める、そして顧客を啓蒙する」

インターネットマーケティングの世界では繰り返し語られるキーワードです。

しかし、インターネットが登場する以前ももちろん顧客リストが重要だったことには変わりありません。

 

むしろダイレクトマーケティングの世界では常識といっても良いほどです。

 それでは、なぜインターネットのマーケッター達は「顧客リストを集める」ことをことさらに重要視しているのでしょうか?

 

また、最近では顧客リストを集めただけでは売上は伸ばせないとも言われ始めています。

顧客リストを集めても顧客をリストとして扱っているだけでは、そこから何のアクションもありませんからね。

 

肝心なのは顧客とのコミュニケーション。

さらに重要なのはコミュニケーションがコミュニケーションを呼ぶコミュニティを作り上げることです。



本書は、「インターネット社会のマーケティング」というタイトルですが、どちらかというと副題の「ネット・コミュニティのデザイン」もしくは「ネット・コミュニティのマネジメント」といった方が適切かもしれません。

インターネットビジネス、マーケティングについてもかなり深く論じていて発見も多いのですが、結論としてSNSに代表されるようなネット・コミュニティというのが不確実なネット社会で秩序としての場をもたらしビジネスにも大きく活用できるというもの。

 

ノウハウ本ではありませんので学術的な口調で解説されていますが、事例がたくさん紹介されていますので読みやすく、複数の人が執筆していますので多くの視点をもたらしてくれる良書です。

紹介されている的確な事例は念入りに取材されているようで、尚且つ詳細まで分析されていますのでサイト運営者やこれからインターネットビジネスにチャレンジされるかたにオススメです。

●目次 インターネット社会のマーケティング―ネット・コミュニティのデザイン

誰かと一緒に何かをやりたい
第1部 コミュニティ・サイトの現実と理論(アクティブなコミュニティ・サイト―妊娠・出産・子育てを応援「ぷれままクラブ」
インターネットが可能にした「再会」と「出会い」―「この指とまれ!」(ゆびとま)
コミュニティとコミュニティ・サイトの理論的基礎)
第2部 コミュニティ・サイトのマネジメントとビジネス化(インターネットに咲いたアナログの花―同窓会サイト「アイラブスクール」
農家と消費者をつなぐネット・コミュニティの苦闘―農産物(電直)会議室
コミュニティ・サイトは業界の新しいインフラとなりうるか?―化粧品情報専門サイト「@cosme」 ほか)
第3部 コミュニティサイトの理論的・実践的展望(消費者参加の製品開発コミュニティをめざして―「空想生活」
リレーションシップ・ポータル構築の試み―「SSKウェブリーグ」
コミュニティ・サイトのビジネスモデル ほか)

 

インターネットビジネスは手軽に始められますけど、抜群のアイデアやものすごくニッチなコンテンツだったとしても人気があるとわかるとすぐに競合サイトが乱立します。

 

模倣が繰り返されるインターネットビジネスにおいて顧客を自らのサイトに留まってもらうために顧客とのコミュニケーションを密にすることもしくは顧客同士がコミュニケーションできる場を提供することはとても重要なことです。

 

本書から引用すると、

一般に、消費者は価格の安さを求めてインターネットで購買を行うと考えられている。だが、実際はインターネット上で消費者がとる行動は異なっている。インターネットで商品を購買する際に、ほとんどの消費者は、サイトを見比べてお買い得品を探したりしない。

大多数の消費者は、同一のサイトで購買を続ける。別の調査では、書籍やCDをインターネットで購買する消費者の八割以上が、最初に訪れたサイトで購買を続けていたという。

 

また、

すなわち、購買意思決定の結果は、必要を満たす商品を探索するプロセスと、必要としているのはどのような商品あるいは属性なのかを探索するプロセスとの交錯を反映したものとなる。購買意思決定は、選択代案の選択であるが、その背後では選択を行う際の前提となる選択基準の選択も同時に行われている。

 

 

ネット・コミュニティは、顧客をコミュニケーションで包み込むことで顧客にとって居心地の良い場を提供し、そこでの信頼関係や絆は顧客が商品を購入する際の選択基準にも大きく影響を及ぼすことになるでしょう。

サイト形成とサイト構成、それと一番重要なサイト運営を的確に行えば顧客がネット・コミュニティを離れることはまずないでしょう。

しかし、顧客が増えるにしたがってサイト運営者側でコントロール不能になってくる場合もあるようで、ネット・コミュニティの運営は一石二鳥というわけにはいかないようです。

ネット・コミュニティの将来性を紹介するとともにサイト構築と運営上の苦労を実話をもとに分析する本書は、ノウハウ本以上にネットコミュニティをリアルに体験することができます。

 

*最後に、本書で紹介されていたコミュニティ・サイトの一覧です。